2021.02.01 オンラインから直接ご依頼することが可能になりました!
MALDI微生物同定試験(Biotyper)
特 長
- タンパク質マススペクトルパターンをデータベースと照合し同定
- DNA塩基配列解析と比較し、迅速、低価格での報告が可能
- 細菌、カビ(糸状菌)、酵母のすべてのカテゴリーの同定に対応
- バイオセーフティレベル付きで報告
- 当日12時(正午)までの到着検体(細菌・酵母の純粋培養物に限り)は、即日納品
概 要
MALDI Biotyper®(Bruker, DEU)は、細菌、カビ、酵母のタンパク質マススペクトルを取得し、データベースと照合し、検体の帰属種・近縁種を同定します。MALDI-TOF MS法※は、迅速性やコストの低さから臨床・食品・製薬など様々な分野で普及が進んでいます。
細菌・酵母では、当社営業日の午前中に到着し、純化された平板培養物及び分析を実施するコロニーやカテゴリーが明確であった場合には、ご送付検体より、直接、解析を行い即日報告が可能です。
カビでは、従来再現性が課題とされていましたが、ブルカージャパン株式会社から提供された前処理プロトコールにより、再現性が格段に改善されました。タンパク質抽出を効率よく行うために液体培地での前培養が必須となりますが、検体受領から前培養含め 2〜4日で、DNA塩基配列解析に比べ低価格での報告が可能となります。特にコストを重視
されるお客様におすすめです。
同時または追加で DNA塩基配列解析をご希望される場合に「MALDI同時割引」をご用意しています。

受入可能な検体
カテゴリー | 必要量 | 送付方法 | 備考 |
---|---|---|---|
細菌 | 平板塗抹による 純粋培養物 (平板培地1 枚) | 普通寒天培地、標準寒天培地、SCD寒天培地など生育に適した平板培地 | 十分な生育を確認後、なるべく早くお送り下さい※1、2。
純粋培養された平板培養物を“常温”でお送り下さい。
冷蔵により、タンパク質合成経路に変化が生じることから、一旦冷蔵で保管された検体は、再培養後、常温でお送り下さい。 試験対象とするコロニーのご指定がある場合は、シャーレ上に目印をして下さい。 |
酵母 | YM寒天培地、SCD寒天培地など生育に適した平板培地 | ||
カビ※4 | PDAやサブロー寒天などの栄養培地で十分な生育が確認できる検体 | 十分な生育を確認後、検体をお送り下さい※3。 一旦冷蔵で保管された検体も再培養は不要です。 試験対象とするコロニーのご指定がある場合は、シャーレ上に目印をして下さい。 |
※1 培養後、大幅に時間が経過している検体は試験に適しません。なるべく培養24~48時間の微生物株をお送り下さい。
※2 混釈培養物で直接試験ができない場合、再培養 (有償) の後、試験をいたします。
※3 コンタミネーションなどで、直接試験ができない検体は、単離作業(有償)が必要となります (別途納期)。
※4 試験前に前培養を行いますので、培養後時間が経過している微生物株でも生育が認められれば試験可能です。
解析の流れ
- 純度確認
- 前培養 (カビの場合)
- サンプル調製
- 測定 ライブラリサーチ
- レポート作成
使用データベース
【MBT Compass Library】 V9.0.0.0 (8468)
登録菌種数:2,716種(グラム陰性1,266種+グラム陽性1,450種)、酵母210種、カビ(糸状菌)43種
【MBT Filamentous Fungi Library】 V3.0 (577)
登録菌種数:カビ(糸状菌)180種
(CBS、DSMZやATCCなどに寄託されているタイプ(タイプ由来株や基準標本等)を中心とした
577微生物株で臨床的に重要な菌種も多く含まれています。)
「Main Spectra(MSP)」を基本コンセプトとし、各微生物株を複数回測定して各ピーク(分子量)とその強度の平均値を算出
取得しています。マススペクトルのうち、検出頻度の低いピークはノイズとして除去して検出頻度の高い特徴的な ピークのみを用いてデータベースを構成しています。同一菌種でも複数の微生物株のマススペクトルデータが登録されているため、微生物株間でマススペクトルパターンに多様性がある場合でも正確な同定が可能とされています。
価格・納期
製品名 | 株数 | 単位 | 単価 (税抜) | 目安納期 |
---|---|---|---|---|
MALDI微生物同定試験(細菌 Biotyper) MALDI微生物同定試験(酵母 Biotyper) | 1~3 | 株 | 5,000円 | 即日 18:00まで (月~金曜日の正午までの検体着・オンライン納品に限る) (当日12:00までの到着検体(純粋培養物に限る)) |
4~8 | 株 | 4,500円 |
||
MALDI微生物同定試験(カビ Biotyper) | 1~3 | 株 | 10,000円 | 下記参照 |
4~8 | 株 | 9,000円 |
カビ 試験・報告納期 | |||||
---|---|---|---|---|---|
検体到着日 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
試験・報告日※1,2 | 木曜日又は金曜日 | 翌週の月曜日または火曜日 |
※2 前培養(目安日数:2〜3日)において生育が充分と判断した日に試験を開始します(翌営業日報告)。試験の可否判断は、当社に一任下さい。
DNA 塩基配列解析と組み合わせることで、MALDI 微生物同定試験に登録のない菌種に対応いたします。
ご依頼時、「試験と同時」、もしくは「試験の結果を見てから必要に応じて開始」から選択していただけます。「試験の結果を見てから必要に応じて開始」を選択していただき、DNA塩基配列解析を不要と判断され、追加分析を中止された場合には、DNA塩基配列解析の費用は生じません。
<オプション> 形態観察 ・ クラスター分析
・形態観察は、検体の培養後、細菌、放線菌、酵母、カビの顕微鏡写真を撮影し、観察結果を報告いたします。当社での培養確認が必須となります。
・お客様専用のユーザーデータベースを作成し、登録したスペクトルデータからクラスター分析を行います。デンドログラムを作成することで、検体間の類似度が可視化できます。MALDI Biotyperのクラスター分析の場合、「●%以上で同一種」といった明確な数値基準がないため、デンドログラムから各検体の種の異同を判断することはできませが、複数の検体を大まかにグルーピングすることが可能です。
また、MALDI微生物同定試験で同定できなかった検体をDNA塩基配列解析し、クラスター分析の結果に反映させることで、未同定株の種を推定することも可能です。
・PDF形式のマススペクトルデータの画像とExcel形式のピークリストを出力し、報告します。
試験項目 | 報告内容 | 単価(税抜) | 目安納期 |
---|---|---|---|
細菌形態観察 | コロニーの色調、細胞形態・グラム染色性および芽胞形成能 (培養24~48時間) を観察し、写真を撮影します。 | 7,000円 | 8営業日 |
放線菌形態観察 | コロニー形態、色調、菌糸および胞子等の細胞形態を顕微鏡で観察し、写真を撮影します。 | 13,000円 | 20営業日 |
酵母形態観察 | コロニー形態、細胞形態を顕微鏡で観察し、写真を撮影します。 | 15,000円 | 10営業日 |
カビ形態観察 | コロニー形態、色調、菌糸および胞子等の細胞形態を顕微鏡で観察し、帰属分類群を推定する上で重要となる形態的特徴を観察し、写真を撮影します。 | 16,000円 | 19営業日 |
クラスター分析※1,2、3 | お客様専用のユーザーデータベースを作成し、登録したスペクトルデータからクラスター分析を行います。デンドログラムを作成することで、検体間の類似度が可視化できます。 | +3,000円 | +2営業日~ |
スペクトルパターン (画像+ピークリスト) | マススペクトルデータの画像 (PDF形式) とピークリストを (Excel形式) を出力します。 | +2,000円 | +1営業日 |
MALDI 微生物同定試験 (Biotyper) オプション | |
クラスター分析 | スペクトルパターン (画像+ピークリスト) |
追加登録の上、クラスター分析を行います。
※2 MALDI微生物同定試験と同時依頼に限ります。クラスター分析の結果はMALDI微生物同定試験の報告書に含みます。
※3 データベースの株数が100株以上となる場合には、納期を延長させていただくことがございます。
ご依頼前の同意事項
ご依頼前の同意事項(共通) およびテクノスルガ・ラボ基本約款 を確認してお申込み下さい。
・ 見積書・注文書の取り交わしを省略し、依頼書および検体の到着をもって注文とし、試験を開始します。
・ 1依頼あたり、1日に実施可能な検体数は8株までです。
・ カビを試験する場合、サブロー液体培地による前培養が必須となります。即日報告ではありません。
・ コンタミネーションにより単離の必要がある検体は、別途有償での作業が必要となります。
・ 検体受付の前日の直近営業日17:0 0までに依頼書の到着がない場合、所定の日数での報告ができないことがあります。
・ データベースの菌種のタンパク質マススペクトルとのパターンマッチングによる解析のため、登録されている菌種と異なる菌種であっても、類似のマススペクトルを示した場合にはその菌種が検体の同定結果として得られることがあります。
また、登録されている菌種であっても、検体のタンパク質組成によっては、同定結果が得られない、または異なる菌種名として同定結果が得られることがあります。
・ スラント、保存アンプル作製などの培養を含む追加試験を行う場合、別途、微生物の再送をお願いすることがあります。
・ カビ・酵母の場合、テレオモルフ(有性時代)とアナモルフ(無性時代)の判別はできません。
・ 非常に近縁な菌種または亜種の関係にある検体は、本試験により区別できないことがあります。
・ プロトコールは、ブルカージャパン株式会社の推奨に基づきます。
・ ご依頼前の同意事項(共通)を必ずご確認下さい。
ご依頼は、以下のリンク、もしくはファイルよりお申し込み下さい。
ファイルのダウンロードはこちら
分析ごとの同意事項、ご依頼前の同意事項(共通)
およびテクノスルガ・ラボ基本約款 を確認しました。
・混釈培養物で直接解析ができない場合、再培養(有償)の後、解析をいたします。
・コンタミネーションなどで、直接解析ができない検体は、単離作業(有償)が必要となります(別途納期)。
・分析対象が試験当日の13時までに確定できない場合は、翌日の解析とさせていただきます。