生体 アンプリコンシーケンス解析

特長

  • 様々な動物種の糞便、ヒトの口腔内や皮膚検体といった幅広い生体由来検体に対応

  • DNA抽出からデータ解析までを一式としたセット価格で提供 (1検体から申し込み可能)
  • 糞便は細菌とアーキア (古細菌) を一括で解析できるプライマーを推奨 (メタン産生アーキアなどの検出が可能)

  • アクネ菌 (Cutibacterium acnes) の検出効率を高めた皮膚菌叢解析用プライマーを選択可能

  • データ解析ソフトウェアは2種類から選択可能

    【細菌・アーキアの場合】
     セット1:Metagenome@KIN (データベース『RDP』あるいは『テクノスルガ・ラボ 微生物同定データベース』)
     セット2:QIIME2 (データベース『Greengenes』あるいは『SILVA』)

    【カビ・酵母の場合】
    セット1:Metagenome@KIN (データベース『RDP』)
    セット2:QIIME2 (データベース『UNITE』)

  • DNA抽出からデータ解析まで全て当社内で作業

概要

アンプリコンシーケンス解析は、多様な生物種が混在する検体中の生物群集を解析する優れた方法のひとつです。
検体から直接抽出した混合DNAについて、検体を識別するためのバーコード配列を付加したプライマーによりPCR増幅~シーケンス解析を行い、一度に数万~数十万の配列を得ます。
検体ごとに異なるバーコード配列が付加されているため、数十種類の異なる検体由来の混合DNAを一度に解析しても、バーコード配列をもとに得られた塩基配列がどの検体に由来するかを判別することができます。一度の解析で大量の塩基配列を得ることができ、また、マイナーな細菌を含め網羅的に細菌(カビ・酵母)を検出することができます。多検体、多数の塩基配列解析を行う場合のコストパフォーマンスにも優れます。

受入可能な検体

検体区分 ( 種類)

由来

検体の種類※1

対象

A 区分:糞便検体

ヒト

糞便

細菌・アーキア、カビ・酵母のDNA

マウス、ラットなどの実験動物類

糞便、腸管内容物

ブタ、ウシ、ウマなどの家畜類

糞便、腸管内容物、ルーメン液

ニワトリなどの家禽類

糞便、腸管内容物

イヌ、ネコなどのペット類

糞便

魚類、昆虫、その他

糞便、腸管内容物

B 区分:その他生体由来検体

ヒト

(その他動物種はご相談下さい)

唾液、プラーク

皮膚拭取物

膣内拭取物

DNA 抽出物

PCR 増幅が確認されたDNA 抽出物

PCR 増幅が確認できたことを示す電気泳動像を必ずご提供下さい。

血液、臓器、細胞組織およびそれらが付着した検体の受け入れはできません。
哺乳類・鳥類などの野生動物 (野良も含む) 由来の検体は、送付前にお客様の元で加熱処理(85℃ 15分以上)をお願いします。

必要検体量・送付方法

検体の種類

必要量

留意点および送付方法

A区分

糞便、腸管内容物、ルーメン液

糞便採取容器 (保存液なし)
あるいは気密性の高い容器

0.2 ~ 0.5 g

採取後速やかに冷凍保存、 冷凍輸送

糞便採取容器 (保存液あり)
メタボロキーパー®

採取後速やかに冷蔵保存
冷蔵輸送推奨、 常温輸送可

B区分

A 区分以外
口腔内容物
( 唾液、プラーク )
皮膚拭取物など

スワブ
1.5 mL チューブなど

0.2 ~ 1 mL
( 唾液 )

唾液、舌苔、 口腔粘膜、プラークを採取し、速やかに冷凍保存、 冷凍輸送

綿棒やコットンなどで広範囲を拭き取った検体は、極少量の適切な溶液(PBS、 生理食塩水、滅菌水など ) に移し、 速やかに冷蔵保存、冷蔵輸送

メタフロキーパー®
( 皮膚、 唾液 )

採取後速やかに冷蔵保存
冷蔵輸送推奨、 常温輸送可

DNA 抽出物

濃度 5 ng/µL
総量 30 µL 以上
(1 領域を追加ごとに+ 15 µL 以上 )

抽出後速やかに冷蔵保存、 冷蔵輸送

保存液は捨てずに検体を採取し、 採取後も採取容器は冷凍せず、保存液の中に検体が入った状態で検体をご送付下さい。

解析の流れ

  • DNA抽出/精製

  • PCR増幅

  • PCR産物の定量

  • シーケンス配列決定

  • プライマー配列の除去

  • データ解析

※データ解析の工程はセット1、セット2で異なります。

仕様

対象微生物

細菌 ・ アーキア

カビ・酵母

解析対象 

DNA 

DNA

遺伝子領域※¹

  • 16S rDNA V1 ~ V2 領域 ( 細菌 )

  • 16S rDNA V3 ~ V4 領域 ( 細菌 )

  • 16S rDNA V3 ~ V4 領域 ( 細菌 ・ アーキア )

  • 16S rDNA V3 ~ V4 領域 ( アーキア )

  • 16S rDNA V3 ~ V4 領域 ( 皮膚菌叢解析用 ) ※² ( 細菌 )

  • ITS2 領域

リード数※³ 

1 万リード以上 / 検体

解析機種

MiSeq® ( Illumina )

データ解析※⁴

セット1 :Metagenome@KIN

RDP ※⁵ およびテクノスルガ・ラボ「微生物同定データベース」

RDP ※⁵

セット2 :QIIME2 ※ ⁶, ⁷

Greengenes database ※⁵あるいはSILVA database ※⁵

UNITE※⁵

※1 解析領域の違いによる結果の違いについては、当社では考察しません。
※2 標準仕様のV3 ~ V4領域のプライマー配列の一部を改変し、アクネ菌(Cutibacterium acnes)の検出効率を上げています。
※3 クオリティーフィルタリング、キメラチェック後のリード数です。
※4 データ解析は、セット1またはセット2のどちらかをご選択下さい。
※5 RDP (Ribosomal Database Project)、Greengenes database、SILVA databaseおよびUNITEは公共の解析データベースです。
※6 セット2 (QIIME2) は一次解析までの報告です。二次解析 (多様性解析、統計解析) は、別途追加解析のご指示を下さい。
※7 GreengenesまたはSILVAのどちらかご選択下さい。データベースの違いによる結果の違いについては、当社では考察しません。

納品内容

報告内容

形式

次世代シーケンサー ( NGS ) によるシーケンス生データ

fastq ファイル

次世代シーケンサー ( NGS ) によるシーケンスデータ( クオリティーフィルタリング、 キメラチェック後 )

fasta ファイル

データ解析結果※

csv ファイル、 html ファイル


※ 詳細は「アンプリコンシーケンスデータ解析 (Metagenome@KIN)」をご参照下さい。
※ ご依頼内容や検体数によって納品されないファイルがあります。

 

 

報告サンプル (セット1:Metagenome@KIN)

ドーナツグラフ 検体の菌叢を構成する帰属分類群を界 (内側) ~属または種 (外側)へ一つの図として表示します。htmlファイルなので、グラフにカーソルを合わせ、クリックすることで分類群の名前や分類階級をハイライトすることもできます。 群集構造全体の理解を視覚的にサポートします。
解析例
検体間比較グラフ

全検体の、 ある分類階級における帰属分類群の内訳を並べて表示します。 検体間の群集構造の違いを俯瞰する際に便利です。デンドログラムおよび、 ヒートマップ画像が分類階級ごとに作成されます。

論文投稿を前提とした解像度ではありません。論文投稿を目的とする場合には、別途「アンプリコンシーケンスデータ解析 (QIIME2)」または「統計分析ソフトRによるデータ解析」をご利用下さい。

クラスター解析

デンドログラムおよび、 ヒートマップ画像が分類階級ごとに作成されます。

論文投稿を前提とした解像度ではありません。論文投稿を目的とする場合には、別途「アンプリコンシーケンスデータ解析 (QIIME2)」または「統計分析ソフトRによるデータ解析」をご利用下さい。

主成分分析

主成分の二次元プロット画像が分類階級ごとに作成されます。検体間の相違を散布図で示します。

論文投稿を前提とした解像度ではありません。論文投稿を目的とする場合には、別途「アンプリコンシーケンスデータ解析 (QIIME2)」または「統計分析ソフトRによるデータ解析」をご利用下さい。

報告内容

形式

次世代シーケンサー ( NGS ) によるシーケンス生データ

fastq ファイル

QIIME2 出力データファイルデータ解析 ( 一次解析 ) 結果※

代表配列とリード数の一覧

qzv ファイル

相同性検索結果
( 表、 バーチャート )


※ 多様性解析や統計解析(二次解析)は含みません。詳細は「アンプリコンシーケンスデータ解析 (QIIME2)」をご参照下さい。
※ ご依頼内容や検体数によって納品されないファイルがあります。

報告サンプル (セット2:QIIME2)

価格・納期

区分

試験項目

検体数

単位

単価 (税抜)

目安納期 (DNA解析)※¹

A区分

アンプリコンシーケンス解析 

  • 細菌 V1~V2 

  • 細菌 V3~V4 

  • 細菌/ア ーキア V3~V4 

  • アーキア V3~ V4 

  • 皮膚菌叢解析用

  • 【16S】

  • カビ・酵母【ITS2】

1 ~ 24

検体

36,000円

25 営業日~

25 ~ 48

30,000円

49 ~ 72

25,000円

73 ~ 96

21,000円

97 ~

19,000円

1

検体

18,000円

長納期 40 営業日~

B区分

アンプリコンシーケンス解析 

  • 細菌 V1~V2 

  • 細菌 V3~V4 

  • 細菌/ア ーキア V3~V4 

  • アーキア V3~ V4 

  • 皮膚菌叢解析用

  • 【16S】

  • カビ・酵母【ITS2】

1 ~ 24

検体

50,000円

27 営業日~

25 ~ 48

35,000円

49 ~ 72

29,000円

73 ~ 96

26,000円

97 ~

23,000円

1

検体

22,000円

長納期 40 営業日~

  • セット2をご選択いただいた場合、 多様性解析や統計解析(二次解析)が可能です費用は一式 +30,000円 (税抜) 納期は+5営業日となります。

※1  2つ以上の領域を同時に解析する場合には、1領域追加ごとにDNA抽出の重複費用として1検体当たり 3,000円 (税抜) を減額します。
※2  2つ以上の領域を同時に解析する場合には、1領域追加ごとに納期は+5営業日の追加になります。

関連ページ

1,JMBC (日本マイクロバイオームコンソーシアム)推奨プロトコルに基づき、糞便中の細菌叢を解析します。

生体 アンプリコンシーケンス解析 (JMBC 推奨プロトコル)

ご依頼前の同意事項

・ メディア(DVD-R)による配送納品のみとなります。
・ ご依頼前の同意事項(共通)を必ずご確認下さい。
・ お預かりした検体を返送する場合、当社は試験前の検体と同等の状態を保証するものではありません。
・ ご依頼前の解析手法などの選択についてのアドバイスには可能な範囲で対応しますが、最終的な選択はお客様の責任にてご判断下さい。

生体A区分のご依頼書はこちら

生体B区分のご依頼書はこちら