環境関連 アンプリコンシーケンス解析
特 長
- 検体について
- 土壌、環境水から培養液、発酵食品といった幅広い検体に対応
- 解析について
- DNA抽出からデータ解析までを一式としたセット価格で提供(1検体から申し込み可能)
- 細菌・アーキアはRNA解析も可能
- DNA抽出からデータ解析まで全て当社内で作業、解析
- データベースについて
- 細菌・アーキア16S rDNAは、RDP (Ribosomal database project) とテクノスルガ・ラボ「微生物同定データベース」の2種類のデータベースで解析
- 菌類ITS2は、RDP (Ribosomal database project) で解析
概 要
土壌、環境水などの多様な生物種が混在する検体中の生物群集を解析する優れた方法のひとつです。生物種が混在する検体から直接抽出した混合DNAについて、検体を識別するためのバーコード配列を付加したプライマーによりPCR増幅~シーケンス解析を行い、一度に数万~数十万の配列を得る手法です。
検体ごとに異なるバーコード配列が付加されているため、数十種類の異なる検体由来の混合DNAを一度に解析しても、バーコード配列をもとに得られた塩基配列がどの検体に由来するかを判別することができます。一度の解析で大量の塩基配列を得ることができることから、短時間でマイナーな細菌・アーキア、菌類を検出可能です。多検体、多数の塩基配列解析を行いますので、コストパフォーマンスにも優れています。
受入可能な検体
- 環境検体
- 抽出DNA
由来 | 検体の種類 | 対象 |
---|---|---|
食品 | 発酵食品などの食品試料 | 細菌・アーキアの DNAおよびRNA 菌類のDNA※ |
活性汚泥 | 活性汚泥試料 | |
土壌 | 一般土壌、火山灰などの土壌系試料 | |
堆肥、コンポストなど | 堆肥、コンポスト、培養液などの発酵試料 | |
環境水 | 海水、湖沼水などの水系試料 |
由来 | 検体の種類 | 対象 |
---|---|---|
DNA抽出物 | PCR増幅が確認されたDNA抽出物 | 細菌・アーキアの DNAおよびRNA 菌類のDNA※ |
PCR増幅が確認できたことを示す電気泳動像を必ずご提供下さい。
※ 菌類ではRNAは解析対象としておりません。
必要検体量・送付方法
検体の種類 | 必要量 | 留意点および送付方法 |
---|---|---|
食品 | 10 gまたは100 mL | 食品の保存温度で保存、輸送 |
活性汚泥 | 5~10 mL | 採取後速やかに冷蔵保存、冷蔵輸送 |
土壌 | 1~5g | |
堆肥 | ||
コンポスト | ||
環境水※ (水道水、濁りの少ない河川水など) | 100mL~1000 mL | |
環境水※ (工業廃水、下水など) | 50~500 mL | |
培養液 | 5~10 mL | |
DNA抽出物 | 濃度:5 ng/µL以上 総量:30 µL以上 | 抽出後速やかに冷蔵保存、冷蔵輸送 |
※ 外洋海水、深海堆積物など、生物量が低いと考えられる試料についてはお問い合わせ下さい。
作業の流れ
- DNA抽出/精製※
- PCR増幅
- PCR産物の定量
- シーケンス配列決定
- プライマー配列の除去
- ペアエンド配列・アッセンブル
- フィルタリング・キメラチェック
- データ解析
※RNA抽出では核酸抽出、RNA精製、RT-PCRを行います。
RNAに関する補足
DNAを解析対象とするアンプリコン解析では全菌 (生菌、死菌を問わず) を対象とします。
一方、RNAは生菌において多くなるため、微生物の動的な群集構造を解析することが可能です。RNAを解析対象とする場合には、検体から抽出した核酸中に含まれる混合RNAを逆転写PCR反応 (RT-PCR) し、得られたcDNAを鋳型にPCR増幅を行います。RNAは、非常に不安定で分解し易いため、サンプリング前に当社までお問い合わせ下さい。
仕 様
対象微生物 | 細菌・アーキア | 菌類 |
---|---|---|
解析領域 | 16S rDNA V3 ~ V4領域 | ITS2 |
リード長 | 細菌 約430 bp / アーキア 約380 bp | 約350 bp |
データベース※1 | RDP、および当社「微生物同定データベース」 | RDP |
解析対象 | DNA/RNA | DNA |
リード数※2 | 1万リード以上/検体 | |
解析機種 | 次世代シーケンサー(NGS) MiSeq(Illumina) |
※1 RDP (Ribosomal database project) は公共の解析データベースです。
※2 クオリティーフィルタリング、キメラチェック後のリード数です。
納品内容・報告書サンプル
報告内容 | 形式 |
---|---|
シーケンスデータ | fastaファイル、fastqファイル |
菌叢解析データ | csvファイル |
各種グラフ | htmlファイル |
- ドーナツグラフ
- 解析例
- 検体間比較グラフ
- クラスター解析
- 主成分分析
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検体の菌叢を構成する帰属分類群を界(内側)~属または種(外側)へ一つの図として表示します。htmlファイルなので、グラフにカーソルを合わせ、クリックすることで分類群の名前や分類階級をハイライトすることもできます。群集構造全体の理解を視覚的にサポートします。 |
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全検体の、ある分類階級における帰属分類群の内訳を並べて表示します。検体間の群集構造の違いを俯瞰する際に便利です。 |
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デンドログラムおよび、ヒートマップ画像が分類階級ごとに作成されます。 |
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主成分の二次元プロット画像が分類階級ごとに作成されます。検体間の相違を散布図で示します。 |
価格・納期
- 細菌・アーキア
- 菌類
試験項目 | 検体数 | 単位 | 単価 (税抜) | 納期※1, 2 DNA解析 | 納期※3 RNA解析 |
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アンプリコンシーケンス解析 (細菌) アンプリコンシーケンス解析 (細菌・アーキア) アンプリコンシーケンス解析 (アーキア) 【16S】 【DNA ・ RNA】 | 1~24 | 検体 | 45,000円 | 27営業日~ | 32営業日~ |
25~48 | 35,000円 |
||||
49~72 | 30,000円 |
||||
73~96 | 26,000円 |
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97~ | 24,000円 |
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1 | 検体 | 20,000円 | DNA解析・長納期 40営業日~ | RNA解析・長納期 45営業日~ |
試験項目 | 検体数 | 単位 | 単価 (税抜) | 納期※1, 2 DNA解析 |
---|---|---|---|---|
アンプリコンシーケンス解析 【ITS2】 【DNA】 | 1~24 | 検体 | 45,000円 | 27営業日~ |
25~48 | 35,000円 |
|||
49~72 | 30,000円 |
|||
73~96 | 26,000円 |
|||
97~ | 24,000円 |
|||
1 | 検体 | 20,000円 | DNA解析・長納期 40営業日~ |
※1 細菌・アーキア、菌類を同時に解析する場合には、DNA抽出の重複費用として1検体当たり3,000円を減額します。
※2 細菌・アーキア、菌類を同時に解析する場合には、納期は+5営業日の追加になります。
※3 RNAの場合、RNA抽出~RT-PCR費用として+16,000円の追加費用が必要です。
依頼書の入手と同意事項の確認
ご依頼前の同意事項(共通) およびテクノスルガ・ラボ基本約款 を確認してお申込み下さい。
ご依頼は、以下のファイルよりお申し込み下さい。
・ DNAとRNAを両方とも解析する場合には、解析費用は2倍になります。
・ メディア(DVD-R)による配送納品のみとなります。
・ ご依頼前の同意事項(共通)を必ずご確認下さい。