カビ機能遺伝子解析

特長

  • rDNAのITS領域や28S rDNAのD1/D2領域では種の識別が困難な分類群に有効
  • 論文に基づき、各分類群の同定に有効な遺伝子を提案

  • 複数の遺伝子を連結させて解析するマルチローカス遺伝子解析 (MLSA) にも対応

概要

カビの同定には、主にrDNAのITS領域および28S rDNAのD1/D2領域の塩基配列を使った解析が行われますが、これらの領域のみでは種の識別が困難な分類群が複数存在します。これらの分類群には、機能遺伝子解析が有効な場合があります。例えば、当社ではPenicillium属にはβ-tubulin遺伝子、Aspergillus属にはcalmodulin遺伝子、Fusarium属やTrichoderma属にはTEF-1α (Translation elongation factor 1-alpha) 遺伝子を推奨しています。
同定に最適な機能遺伝子の提案や、分子系統解析や複数の異なる遺伝子を組み合わせたマルチローカス遺伝子解析にも対応可能です。

受入可能な検体

種類

必要量

備考

平板培養物

1 枚

当社での培養確認を必須とします。培養条件をご指示下さい。
生育性や純粋性に疑義がある場合には、 ご連絡します。

液体培養物
スラント ( 斜面培養物 )
アンプル
グリセロールストック

1 本

シーケンス生データ (ab1 ファイル )
塩基配列テキストファイル

シーケンサーから出力された生データ (ab1 ファイル ) から配列決定し、解析することも可能です。 詳しくはお問い合わせ下さい。

解析の流れ
分子系統解析の場合

  •  文献調査

  •  培養・純度確認

  •  DNA抽出

  •  PCR増幅

  •  シーケンス

  •  塩基配列決定

  •  相同性検索

  • データセット構築

  •  分子系統解析

納品内容

試験項目

報告内容

付属データ

β-tubulin (BLAST)
calmodulin (BLAST)
TEF-1 α (BLAST)

・ 国際塩基配列データベース照合結果の上位30位

・ DNA塩基配列データ
・ シーケンス波形データ

β-tubulin 分子系統解析
calmodulin 分子系統解析
TEF-1 α 分子系統解析

・ 国際塩基配列データベース照合結果の上位30位
・ 分子系統解析に使用した配列一覧
・ 系統樹
・ 考察 (同定に至った経緯の文章説明)
・ 同定結果
・ 帰属種・近縁種のバイオセーフティレベル

・ 分子系統樹ファイル
(PowerPoint)
・ DNA塩基配列データ
・ シーケンス波形データ

価格・納期

試験項目

検体数

単位

単価(税抜)

目安納期

β -tubulin (BLAST)
calmodulin (BLAST)
TEF-1 α (BLAST)

1~8

46,000 円

12 営業日

9~

お問い合わせ下さい

β -tubulin 分子系統解析
calmodulin 分子系統解析
TEF-1 α 分子系統解析

1

+ 36,000 円~

お問い合わせ下さい

  • 常用培地以外の培地や嫌気条件での培養などをご指定の場合、追加費用が必要となります。【ガイド】 追加費用のご案内をご参照下さい。
  • 多検体でご依頼の場合の目安納期は、お問い合わせ下さい。
  • DNA塩基配列データ、シーケンス波形データおよび分子系統樹ファイルは、報告時にお届けします。

ご依頼前の同意事項

・ β-tubulin、calmodulin、TEF-1α遺伝子では、プライマー合成費が必要な場合があります。
・ ご依頼前の同意事項(共通)を必ずご確認下さい。
・ PCR時のポリメラーゼ反応エラーおよびシーケンサーのシグナル強度に起因する混合塩基の判定、ばらつきにおける試験結果への影響は考慮しておりません。
・ 検体の状態によりPCR増幅ができないことがあります。
・ バイオセーフティレベルは、「細菌:日本細菌学会バイオセーフティ指針」、「カビ・酵母:Atlas of clinical fungi」または「各保存機関の情報」 を採用しています。他の機関や海外との情報が異なる場合があります。
・ バイオセーフティレベルは、病原体の危険度レベルに基づく分類です。結果に報告されるバイオセーフティレベルは、当社がその安全性(危険性)を保証するものではありません。
・ バイオセーフティレベル (BSL) は、各微生物種に対し定められています。報告書で示すBSLは目安であり、検体自体のBSLを示すものではありません。