IR Biotyper株識別試験 (細菌、酵母)
特長
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細菌、酵母の微生物株の異同を識別
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PFGE解析やMLST解析といった従来の識別手法に比べて迅速かつ安価
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分離された多数の微生物株のスクリーニングに有効
概要
微生物株の新しい識別方法としてブルカージャパン株式会社によりIR Biotyperによる方法が提案されています。IR Biotyperは、同一条件で培養した異なる微生物株が持つ炭水化物・多糖類のフーリエ変換赤外 (FT-IR) スペクトルデータを取得し、微生物株間のスペクトルデータを比較解析することで株レベルの識別を行うシステムです。
菌株を識別する解析領域について、基本とする炭水化物、多糖類の他に、追加オプションで①脂質、②脂質、炭水化物、多糖類、③炭水化物、タンパク質の領域で解析することが可能です。
基本の解析領域ではホールゲノム解析と同等の識別結果を得られることが報告されています。また、追加オプションにより、菌体を構成する他の成分を基にした表現型での相同性の評価結果を得られます。
微生物株識別とは?微生物種と何が違うのか?
微生物株の識別とは、微生物の分類階級において「種」よりもさらに低次の階級である「株」の違いを識別することを意味し、同一種であることが確かめられている微生物株同士の異同を推定することが目的です。特に食品・飲料製造工程において微生物株の識別は、品質管理の観点から重要性が高まっています。製造に用いる種菌と製品中に含まれる微生物株が同一であることの確認や、製品から汚染菌が発見された際に様々な環境や原料から同じ「種」が複数分離されたときの汚染源の特定 (どこから混入したのか?) のために、迅速な微生物株識別方法が注目されています。
受入可能な検体
種類 | 必要量 | 備考 |
細菌 | 平板培養物 1 枚 | 当社での培養確認を必須とします。培養条件をご指示下さい。 |
解析の流れ
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培養
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懸濁
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乾燥
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FT-IR測定
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データ解析
納品内容
試験項目 | 報告内容 | 付属データ |
IR Biotyper 株識別試験 | ・ 距離行列とヒートマップ | png、 csv ファイル |
価格・納期
試験項目 | 検体数※ 1 | 単位 | 単価(税抜) | 目安納期 |
IR Biotyper 株識別試験 | 2 ~ 5 | 株 | 23,000 円 | 8 営業日 |
6 ~ | 株 | 16,000 円 | 9 営業日~ |
【オプション】解析領域の追加※ 2
試験項目 | 検体数 | 単位 | 単価(税抜) | 目安納期 |
脂質 | 1 | 式 | 各 + 2,000 円 | + 1 営業日 |
脂質、炭水化物、多糖類 | 1 | 式 | ||
炭水化物、タンパク質 | 1 | 式 |
※1 最小検体数は2株ですが、精度の高い結果を得るためには3株以上での試験実施を推奨します。
※2 炭水化物、多糖類による基本解析とは別に、3種類の解析が追加選択できます。解析装置の設定のため組み合わせの変更はできません。
- 常用培地以外の培地や嫌気条件での培養などをご指定の場合、追加費用が必要となります。【ガイド】 追加費用のご案内をご参照下さい。
- 試験を行う微生物株すべての培養日数を揃える必要があるため、最も生育が遅い株に合わせて試験を実施します。
- 目安納期は培養完了翌日より起算となります。
ご依頼前の同意事項
・ 機能性表示食品の届出のため作業手順書を発行する際は、発行費用3,000円 (税抜)をご請求します。
・ 帰属種の異なる微生物株は、試験条件が異なるため同時に試験することはできません。
・ 試験の都度、微生物株の識別の判断基準となり得る比較対照株を同時に試験する必要があります。
・ ご依頼前の同意事項(共通)を必ずご確認下さい。
・ 検体の生育性の有無や培養時間は、その菌の性状に依存します。当社は試験の遂行に最善の努力を払いますが、実施の確実性を保証するものではありません。
・ 培養条件や培養スケールの違いにより、菌株の性状が変化する可能性があります。これらの試験結果への影響について、当社は保証するものではありません。
・ 培養は、お客様のご指定、または当社で適当と判断した培養条件で行いますが、十分な生育が得られることを当社は保証するものではありません。
・ バイオセーフティレベルは、細菌「日本細菌学会バイオセーフティ指針」、カビ・酵母「Atlas of clinical fungi」または「各微生物株保存機関の情報」 を採用しています。他の機関や海外の情報とは異なる場合があります。
・ バイオセーフティレベルは、病原体の危険度レベルに基づく分類です。結果に報告されるバイオセーフティレベルは、当社がその安全性(危険性)を保証するものではありません。
・ バイオセーフティレベルは、各微生物種に対し定められています。報告書で示すバイオセーフティレベルは目安であり、検体自体のバイオセーフティレベルを示すものではありません。