化学的性状分析
概要
当社では、菌体脂肪酸組成分析 (MIDIシステム)、細胞壁アミノ酸組成分析、キノン分析、リン脂質分析の4項目が可能です。特に細菌の分類学では、新種提唱時にこれらの化学的性状は極めて重要となります。
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菌体脂肪酸組成分析 (MIDIシステム)
菌体脂肪酸組成分析システム“Sherlock Microbial Identification System” (MIDI社製、ガスクロマトグラフィー) を使用した“MIDI法”により、構成脂肪酸の検出および照合をします。ただ、Alicyclobacillus 属など、MIDI法でデータベース化されていない脂肪酸の特定はできません。
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細胞壁アミノ酸組成分析
細胞壁に特徴的なアミノ酸 (リジン、オルニチン、ジアミノピメリン酸など) を液体クロマトグラフィーにより検出し、細胞壁の構成アミノ酸を決定します。また、ドロキシグルタミン酸などのアミノ酸検出をご希望される場合は、お問い合わせ下さい。
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キノン分析
主なユビキノン(Q)、メナキノン(MK)の分子種およびプラストキノン-9を液体クロマトグラフィーにより同定し、各キノン種のその存在割合(mol%)を報告します。また、MK-n(n>11)のキノン分子種(MK-11~14)、メチルメナキノンの同定をご希望される場合は、お問い合わせ下さい。
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リン脂質分析
菌体に含まれる主なリン脂質 [ホスファチジルエタノールアミン (PE) 、ホスファチジルコリン (PC) など] を二次元薄層クロマトグラフィー (TLC) により検出します。検出されたリン脂質は標準物質と比較し、分子種を決定します。TLCの分離展開像と分子種を報告します。
また、スフィンゴ脂質などの検出をご希望される場合は、お問い合わせ下さい。
受入可能な検体
受け入れ可能な検体の種類は試験項目ごとで異なります。また、検体の種類により価格も異なります。
培養物 ( 培養~ )
試験項目 | 必要量 | 備考 |
全分析共通 | 平板培地 1 枚 | 当社で培養から行います。培養条件をご指示下さい。 純粋性に疑義がある場合には、 ご連絡します。 |
斜面培地 1 本 | ||
アンプルなど 1 本 |
集菌体 ( 抽出~ )
試験項目 | 必要量 | 備考 |
菌体脂肪酸組成 | 目安湿重量 : 0.5 g 以上 (100 µL程度の菌体ペレット) | 集菌後、 生理食塩水で 2 ~ 3 回洗浄し、 集菌後は 凍結して冷凍でお送り下さい。 寒天培地から集菌さ れる場合は、 寒天培地を回収しないよう特にご注意 下さい。 |
キノン | 目安湿重量 : 1 g 以上 | 集菌後、 5mM EDTA バッファーで 2 ~ 3 回洗浄して 下さい。集菌・洗浄後は凍結し、冷凍でお送り下さい。 |
細胞壁アミノ酸組成、 リン脂質 | 目安湿重量 : 3 g 以上 |
凍結乾燥品 ( 抽出~ )
試験項目 | 必要量 | 備考 |
菌体脂肪酸組成 | 凍結乾燥品重量 : 0.1 g 以上 | 集菌後、 生理食塩水で 2 ~ 3 回洗浄し、 直ちに凍 結乾燥し、 常温でお送り下さい。 |
キノン、 リン脂質 | 凍結乾燥品重量 : 1 g 以上 |
調製済み品 ( 分析~ )
試験項目 | 必要量 | 備考 |
菌体脂肪酸組成、 細胞壁アミノ酸組成、 キノン | お問い合わせ下さい。 |
納品内容
試験項目 | 報告内容 | 付属データ |
菌体脂肪酸組成分析 | ・ 脂肪酸組成プロファイル | ・ 結果表 |
細胞壁アミノ酸組成分析 | ・ 検出アミノ酸の保持時間とピーク面積 | ・ 結果表 |
キノン分析 | ・ 保有する各キノン種の存在割合 (mol%) | ・ 結果表 |
リン脂質分析 | ・ 薄層クロマトグラフィー展開像 | ・ 展開像 |
価格・納期
培養物 ( 培養~ )
試験項目 | 検体数 | 単位 | 単価 (税抜) | 目安納期 |
菌体脂肪酸組成 | 1 | 株 | 37,000 円 | 12 営業日 |
2 | 株 | 24,000 円 | ||
3 ~ | 株 | 20,000 円 | ||
菌体脂肪酸組成 / 近縁種文献調査 | 一分類群 ( 調査 ) あたり 36,000 円 / 分類群+ 5 営業日 | |||
細胞壁アミノ酸組成 | 1 | 株 | 116,000 円 | 23 営業日 |
2 | 株 | 85,000 円 | ||
3 ~ | 株 | 75,000 円 | ||
ヒドロキシグルタミン酸追加分析 | + 49,000 円 / 株 +15営業日 | |||
キノン分析 ( 細菌 ) | 1 | 株 | 64,000 円 | 20 営業日 |
2 | 株 | 44,000 円 | ||
3 ~ | 株 | 37,000 円 | ||
クロマトグラム追加 | + 5,000 円 / 株 + 4 営業日 | |||
メナキノン追加分析 /MK-11 ~ 14 | + 6,000 円 / 株 + 3 営業日 | |||
メチルメナキノン追加分析 /MMK-4 ~ 6 | + 6,000 円 / 株 + 3 営業日 | |||
キノン分析 ( 菌類 ) | 1 | 株 | 67,000 円 | 20 営業日 |
2 | 株 | 46,000 円 | ||
3 ~ | 株 | 39,000 円 | ||
クロマトグラム追加 | + 5,000 / 株 + 4 営業日 | |||
リン脂質分析 | 株 | 273,000 円 | 25 営業日 |
集菌体 / 凍結乾燥品 ( 抽出~ )
試験項目 | 検体数 | 単位 | 単価 (税抜) | 目安納期 |
菌体脂肪酸組成 | 1 | 株 | 28,000 円 | 9 営業日 |
2 | 株 | 17,000 円 | ||
3 ~ | 株 | 14,000 円 | ||
菌体脂肪酸組成 / 近縁種文献調査 | 一分類群 ( 調査 ) あたり 36,000 円 / 分類群+ 5 営業日 | |||
細胞壁アミノ酸組成 | 1 | 株 | 78,000 円 | 20 営業日 |
2 | 株 | 55,000 円 | ||
3 ~ | 株 | 47,000 円 | ||
ヒドロキシグルタミン酸追加分析 | + 49,000 円 / 株 + 15 営業日 | |||
キノン分析 ( 細菌 ) | 1 | 株 | 46,000 円 | 15 営業日 |
2 | 株 | 28,000 円 | ||
3 ~ | 株 | 22,000 円 | ||
クロマトグラム追加 | + 5,000 円 / 株+ 4 営業日 | |||
メナキノン追加分析 /MK-11 ~ 14 | + 6,000 円 / 株+ 3 営業日 | |||
メチルメナキノン追加分析 /MMK-4 ~ 6 | + 6,000 円 / 株+ 3 営業日 | |||
キノン分析 ( 菌類 ) | 1 | 株 | 50,000 円 | 15 営業日 |
2 | 株 | 30,000 円 | ||
3 ~ | 株 | 24,000 円 | ||
クロマトグラム追加 | + 5,000 円 / 株+ 4 営業日 | |||
リン脂質分析 | 株 | 137,000 円 | お問合せ下さい |
調製済み品 ( 分析~ )
試験項目 | 検体数 | 単位 | 単価 (税抜) | 目安納期 |
菌体脂肪酸組成 | 1 | 株 | 22,000 円 | 9 営業日 |
2 | 株 | 13,000 円 | ||
3 ~ | 株 | 10,000 円 | ||
菌体脂肪酸組成 / 近縁種文献調査 | 一分類群 ( 調査 ) あたり 39,600 円 / 分類群+ 5 営業日 | |||
細胞壁アミノ酸組成 | 1 | 株 | 43,000 円 | 15 営業日 |
2 | 株 | 30,000 円 | ||
3 ~ | 株 | 26,000 円 | ||
ヒドロキシグルタミン酸追加分析 | + 49,000 円 / 株 + 15 営業日 | |||
キノン分析 ( 細菌 ) | 1 | 株 | 23,000 円 | 13 営業日 |
2 | 株 | 14,000 円 | ||
3 ~ | 株 | 12,000 円 | ||
クロマトグラム追加 | + 5,000 円 / 株+ 4 営業日 | |||
メナキノン追加分析 /MK-11 ~ 14 | + 6,000 円 / 株+ 3 営業日 | |||
メチルメナキノン追加分析 /MMK-4 ~ 6 | + 6,000 円 / 株+ 3 営業日 | |||
キノン分析 ( 菌類 ) | 1 | 株 | 22,000 円 | 13 営業日 |
2 | 株 | 14,000 円 | ||
3 ~ | 株 | 12,000 円 | ||
クロマトグラム追加 | + 5,000 円 / 株+ 4 営業日 |
- 調製済み品とは、分析に直接、供試できる検体を示します。当社での再調製が必要な場合、別途追加費用が必要となることがあります。
- 常用培地以外の培地や嫌気条件での培養などをご指定の場合、追加費用が必要となります。【ガイド】 追加費用のご案内をご参照下さい。
- 微生物の純粋性に不安がある場合、試験を行う前にDNA塩基配列解析 (配列データ取得まで可能) などをご依頼いただき、微生物の純粋性を確認されることをお薦めします。
- 細胞壁アミノ酸組成のヒドロキシグルタミン酸追加分析、キノン分析のキノン追加分析/MK-11~14は、主にMicrobacterium 属などが対象となります。
ご依頼前の同意事項
・ 培地の種類や培養温度、好気・嫌気などの培養条件で菌体を構成する成分が変化することが知られています。培養条件などのご指定がある場合、事前にお知らせ下さい。
・ 菌体脂肪酸組成/近縁種文献調査をご希望の場合、DNA塩基配列解析などの結果に基づいた近縁種の情報をご提供下さい。近縁種の文献を入手し主要な菌体脂肪酸組成を比較します。分類群によっては文献記載がなく、近縁種の菌体脂肪酸組成の情報が得られないことがあります。
・ ご依頼前の同意事項 (共通) を必ずご確認下さい。
・ 検体の生育性の有無や培養時間は、その菌の性状に依存します。当社は試験の遂行に最善の努力を払いますが、実施の確実性を保証するものではありません。
・ 培養条件や培養スケールの違いにより、菌株の性状が変化する可能性があります。これらの試験結果への影響について、当社は保証するものではありません。
・ 培養は、お客様のご指定、または当社で適当と判断した培養条件で行いますが、十分な生育が得られることを当社は保証するものではありません。
・ バイオセーフティレベルは、「細菌:日本細菌学会バイオセーフティ指針」、「カビ・酵母:Atlas of clinical fungi」または「各保存機関の情報」 を採用しています。他の機関や海外との情報が異なる場合があります。
・ バイオセーフティレベルは、病原体の危険度レベルに基づく分類です。結果に報告されるバイオセーフティレベルは、当社がその安全性(危険性)を保証するものではありません。
・ バイオセーフティレベル (BSL) は、各微生物種に対し定められています。報告書で示すBSLは目安であり、検体自体のBSLを示すものではありません。