アクネ菌( Cutibacterium acnes )の検出を高めた皮膚菌叢解析

ヒト皮膚常在菌の菌叢解析は、腸内や口腔と同様に健康や病気と微生物の関係を解明するために精力的に進められています。

C . acnes は検出されにくいことが確認されています。

皮膚は外部環境と接しており、外部からの微生物や物理的刺激から体を守っています。皮膚菌叢は部位ごとに異なるもののCutibacterium (旧名 Propionibacterium ) がほぼ共通して検出されます。アクネ菌 (C . acnes subsp. acnes) はニキビの原因とされ、健常人にも広く分布しています。しかし、16S rRNA遺伝子を標的とした遺伝子解析を実施する際、ユニバーサルプライマーの配列 (341f – R806)1,2)では塩基のミスマッチにより、 C . acnes が検出されにくいことが確認されています。

C . acnes の検出を高めたアンプリコンシーケンス
解析用プライマーを用意しました。

C . acnes 検出用に改変プライマー3)を用いることで、従来のプライマー (細菌対象:341f – R806) を用いた結果より、 C . acnes の割合が増加したことを確認しています (図1)。

完全に理論値と同等にならない点には注意が必要です。

リアルタイムPCR解析において、全真正細菌の16S rRNA遺伝子数に対するC . acnes の遺伝子数の割合がより理論値に近づいています(図2)

アンプリコンシーケンス解析とリアルタイムPCR解析のC . acnes の割合において齟齬が生じてた問題を大幅に解消しています。なお、皮膚上の細菌数 (DNA量) は少ない故に誤差が大きく完全に理論値と同等にならない点には注意が必要です。

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株式会社テクノスルガ・ラボ 営業部

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