試験のポイント
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土壌、環境水から培養液、発酵食品といった幅広い検体に対応
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検体のDNA抽出からデータ解析までの一括対応、抽出済DNAでの受入、fastqデータ納品 (解析なし) など、多様なニーズに対応(1検体から申込み可能)
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データ解析ソフトウェアは2種類から選択可能※1
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DNA抽出からデータ解析まで全て当社内で作業
- 細菌・アーキアの場合
・セット1:Metagenome@KIN (データベース『RDP』あるいは『テクノスルガ・ラボ 微生物同定データベース』)
・セット2:QIIME2 (データベース『Greengenes』あるいは『SILVA』)
カビ・酵母の場合
・セット1:Metagenome@KIN (データベース『RDP』)
・セット2:QIIME2 (データベース『UNITE』)
サービス概要
- 試験項目
- 環境アンプリコンシーケンス解析
- 受入可能な検体
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◎環境検体(食品、活性汚泥、土壌、発酵検体、環境水など)
◎DNA抽出物 - 目安納期
- 18 営業日~
土壌、環境水などの多様な生物種が混在する検体中の生物群集を解析する優れた方法のひとつです。生物種が混在する検体から直接抽出した混合DNAについて、検体を識別するためのバーコード配列を付加したプライマーによりPCR増幅~シーケンス解析を行い、一度に数万~数十万の配列を得る手法です。
検体ごとに異なるバーコード配列が付加されているため、数十種類の異なる検体由来の混合DNAを一度に解析しても、バーコード配列をもとに得られた塩基配列がどの検体に由来するかを判別することができます。一度の解析で大量の塩基配列を得ることができることから、短時間でマイナーな細菌(カビ・酵母)の検出も可能です。多検体、多数の塩基配列解析を行う場合のコストパフォーマンスに優れています。
データ解析のソフトウェアは、「Metagenome@KIN」または「QIIME2」の2種類から選択が可能です。
受入可能な検体
DNA抽出物の場合、PCR増幅が確認できたことを示す電気泳動像を必ずご提供下さい。
| 検体区分 | 由来 | 検体の種類 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 環境検体 | 食品 | 発酵食品、乳酸菌飲料など | 細菌・アーキア、カビ・酵母のDNA |
| 活性汚泥 | 糞便、発酵槽の汚泥、下水汚泥など | ||
| 土壌 | 一般土壌、砂、火山灰など | ||
| 発酵検体 | 堆肥、コンポスト、培養液など | ||
| 環境水 | 水道水、工業廃水、海水、湖沼水など | ||
| DNA抽出物 | ー | PCR 増幅が確認されたDNA抽出物 |
必要検体量・送付方法
外洋海水、深海堆積物などの生物量が少ないと考えられる検体についてはお問い合わせ下さい。
| 検体 | 必要量 | 留意点および送付方法 | |
|---|---|---|---|
| 食品 | 10 gまたは100 mL | 食品の保存温度で保存、輸送 | |
| 活性汚泥 | 5~10 mL | 採取後速やかに冷蔵保存、冷蔵輸送 | |
| 土壌 | 1~5 g | ||
| 発酵検体 | 堆肥、コンポストなど | 1~ 5 g | |
| 培養液など | 5~10 mL | ||
| 環境水 | 水道水、濁りの少ない河川水など | 100~1000 mL | |
| 工業廃水、下水など | 50~500 mL | ||
| DNA抽出物※1 | 濃度 5 ng/μL 総量 30 μL 以上 (1 領域を追加ごとに+ 15 μL 以上) | 抽出後速やかに冷蔵保存、冷蔵輸送 | |
- DNA抽出物の場合、PCR 増幅が確認できたことを示す電気泳動像を必ずご提供下さい。
解析プロセス
- DNA抽出/精製
- PCR増幅
- PCR産物の定量
- シーケンス配列決定
- プライマー配列の除去
- データ解析
- データ解析の工程はセット1、セット2で異なります。
仕様
- データ解析は、セット1またはセット2のどちらかをご選択下さい。
- セット2 (QIIME2) は一次解析までの報告です。二次解析 (多様性解析、統計解析) は、別途追加解析のご指示を下さい。
- RDP (Ribosomal Database Project)、Greengenes database、SILVA databaseおよびUNITEは公共の解析データベースです。
| 対象微生物 | 細菌 ・ アーキア | カビ・酵母 | ||
|---|---|---|---|---|
| 解析対象 | DNA | |||
| 遺伝子領域※1 | 細菌 | 16S rDNA V1 ~ V2 領域 | ITS2 領域 | |
| 細菌 | 16S rDNA V3 ~ V4 領域 | |||
| 細菌・アーキア | 16S rDNA V3 ~ V4 領域 | |||
| 細菌・アーキア・Anammox | 16S rDNA V3 ~ V4 領域※3 | |||
| アーキア | 16S rDNA V3 ~ V4 領域 | |||
| 細菌 | 16S rDNA V5 ~ V7 領域※4 | |||
| リード数※2 | 3万リード以上/検体 | |||
| 解析機種 | MiSeq i100シリーズ(Illumina) | |||
| データ解析 | セット1:Metagenome@KIN | RDPおよびテクノスルガ・ラボ「微生物同定データベース」 | RDP | |
| セット2:QIIME2※5 | Greengenes databaseあるいはSILVA database | UNITE | ||
- 解析領域の違いによる結果の違いについては、当社では考察しません。
- 3万リード取得を目安に解析を実施しますが、獲得できる配列数は検体の性状により変動します。
- 標準仕様のV3~V4領域のプライマー配列の一部を改変し、Anammox菌 (嫌気性アンモニア酸化細菌)の検出効率を上げています。
- 植物由来DNAのPCR増幅を抑制し、細菌DNAを検出しやすくします。
- GreengenesまたはSILVAのどちらかご選択下さい。データベースの違いによる結果の違いについては、当社では考察しません。
納品内容(セット1:Metagenome@KIN)
| 報告内容 | 形式 |
|---|---|
| 次世代シーケンサー ( NGS ) によるシーケンス生データ | fastq ファイル |
| 次世代シーケンサー ( NGS ) によるシーケンスデータ ( クオリティーフィルタリング、 キメラチェック後 ) | fasta ファイル |
| データ解析結果※1 | csv ファイル、 html ファイル |
- ご依頼内容や検体数によって納品されないファイルがあります。
詳細は「アンプリコンシーケンスデータ解析 (Metagenome@KIN)」をご参照下さい。
報告サンプル(セット1:Metagenome@KIN)
検体間比較グラフ、クラスター解析、主成分分析は、論文投稿を前提とした解像度ではありません。
論文投稿を目的とする場合には、別途「アンプリコンシーケンスデータ解析(QIIME2)」または「統計分析ソフトRによるデータ解析」をご利用下さい。
| ドーナツグラフ | 検体の菌叢を構成する帰属分類群を界 (内側) ~属または種 (外側)へ一つの図として表示します。htmlファイルなので、グラフにカーソルを合わせ、クリックすることで分類群の名前や分類階級をハイライトすることもできます。 群集構造全体の理解を視覚的にサポートします。 | |
| 解析例 | ||
| 検体間比較グラフ | 全検体の、 ある分類階級における帰属分類群の内訳を並べて表示します。 検体間の群集構造の違いを俯瞰する際に便利です。 | |
| クラスター解析 | デンドログラムおよび、 ヒートマップ画像が分類階級ごとに作成されます。 | |
| 主成分分析 | 主成分の二次元プロット画像が分類階級ごとに作成されます。検体間の相違を散布図で示します。 |
納品内容(セット2:QIIME2)
| 報告内容 | 形式 | |
|---|---|---|
| 次世代シーケンサー ( NGS ) によるシーケンス生データ | fastq ファイル | |
| QIIME2 出力データファイルデータ解析 ( 一次解析 ) 結果※1 | 代表配列とリード数の一覧 | qzv ファイル |
| 相同性検索結果 ( 表、 バーチャート ) | ||
- 多様性解析や統計解析(二次解析)は含みません。
詳細は「アンプリコンシーケンスデータ解析(QIIME2)」をご参照下さい。
ご依頼内容や検体数によって納品されないファイルがあります。
報告サンプル(セット2:QIIME2)

価格・納期
- PCR増幅が確認されないなど検体の性質に帰因する不具合により作業のやり直しが発生する場合は納期を延長させていただく場合があります。
- セット2(QIIME2)をご選択いただいた場合、 多様性解析や統計解析(二次解析)が可能です。費用は一式 +30,000円(税抜)、納期は+5営業日となります。
| 試験項目 | 依頼形態 | 単価 (税抜)※1 | 目安納期 (DNA解析)※2 |
|---|---|---|---|
| アンプリコンシーケンス解析 (細菌・アーキア) ・細菌 V1~V2 ・細菌 V3~V4 ・細菌/アーキア V3~V4 ・細菌/アーキア/Anammox V3~V4 ・アーキア V3~ V4 ・細菌 V5~V7 アンプリコンシーケンス解析 (カビ・酵母) ・ITS2 | 検体にてご依頼の場合 | 19,000円/検体 | 24 営業日~ |
| DNA抽出物にてご依頼の場合 | 12,000円/検体 | 18 営業日~ | |
| fastqファイル納品の場合 | 18,500円/検体 | 24 営業日~ | |
| DNA抽出物にてご依頼、 fastqファイル納品の場合 | 11,500円/検体 | 18 営業日~ |
- 2つ以上の領域を同時に解析する場合には、1領域追加ごとにDNA抽出の重複費用として1検体当たり7,000 (税抜)を減額します。
- 2つ以上の領域を同時に解析する場合には、1領域追加ごとに納期は+5営業日の追加になります。
従来機「MiSeq」をご利用希望の方
従来機MiSeqでの解析をご希望のお客様は、本ページ下部の「従来機MiSeqでの解析」用依頼書をダウンロードして、必要事項をご記入のうえ、ご依頼ください。
なお、今回の切り替えにあたり、MiSeqとMiSeq i100シリーズの比較解析を当社にて実施いたしました。
結果を以下よりご確認いただけますので、ご検討の際の参考資料としてぜひご覧ください。
→ MiSeq®とMiSeq® i100シリーズの比較解析結果(当社実施)
※異なるシーケンサープラットフォームの利用による結果の違いについては、当社では考察しません。あらかじめご了承ください。
〈価格・納期〉
- PCR増幅が確認されないなど検体の性質に帰因する不具合により作業のやり直しが発生する場合は納期を延長させていただく場合があります。
- セット2(QIIME2)をご選択いただいた場合、 多様性解析や統計解析(二次解析)が可能です。費用は一式 +30,000円(税抜)、納期は+5営業日となります。
| 試験項目 | 単価 (税抜)※1 | 目安納期(DNA解析)※2 |
| アンプリコンシーケンス解析 (細菌・アーキア) ・細菌 V1~V2 ・細菌 V3~V4 ・細菌/アーキア V3~V4 ・細菌/アーキア/Anammox V3~V4 ・アーキア V3~ V4 ・細菌 V5~V7 アンプリコンシーケンス解析 (カビ・酵母) ・ITS2 | 32,000円/検体 | 40営業日~ |
- 2つ以上の領域を同時に解析する場合には、1領域追加ごとにDNA抽出の重複費用として1検体当たり3,000円 (税抜)を減額します。
- 2つ以上の領域を同時に解析する場合には、1領域追加ごとに納期は+5営業日の追加になります。
〈仕様〉
- データ解析は、セット1またはセット2のどちらかをご選択下さい。
- セット2 (QIIME2) は一次解析までの報告です。二次解析 (多様性解析、統計解析) は、別途追加解析のご指示を下さい。
- RDP (Ribosomal Database Project)、Greengenes database、SILVA databaseおよびUNITEは公共の解析データベースです。
| 対象微生物 | 細菌 ・ アーキア | カビ・酵母 | ||
| 解析対象 | DNA | |||
| 遺伝子領域※1 | 細菌 | 16S rDNA V1 ~ V2 領域 | ITS2 領域 | |
| 細菌 | 16S rDNA V3 ~ V4 領域 | |||
| 細菌・アーキア | 16S rDNA V3 ~ V4 領域 | |||
| 細菌・アーキア・Anammox | 16S rDNA V3 ~ V4 領域※3 | |||
| アーキア | 16S rDNA V3 ~ V4 領域 | |||
| 細菌 | 16S rDNA V5 ~ V7 領域※4 | |||
| リード数※2 | 1 万リード以上 / 検体 | |||
| 解析機種 | 従来機MiSeq | |||
| データ解析 | セット1:Metagenome@KIN | RDPおよびテクノスルガ・ラボ「微生物同定データベース」 | RDP | |
| セット2:QIIME2※5 | Greengenes databaseあるいはSILVA database | UNITE | ||
- 解析領域の違いによる結果の違いについては、当社では考察しません。
- クオリティーフィルタリング、キメラチェック後のリード数です。
- 植物由来DNAのPCR増幅を抑制し、細菌DNAを検出しやすくします。
- 標準仕様のV3~V4領域のプライマー配列の一部を改変し、Anammox菌 (嫌気性アンモニア酸化細菌)の検出効率を上げています。
- GreengenesまたはSILVAのどちらかご選択下さい。データベースの違いによる結果の違いについては、当社では考察しません。