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サービス

糞便理化学分析

試験のポイント

  • ヒト糞便の他に、マウス・ラット糞便、消化管内容物などの分析が可能

  • 腸内代謝物分析、さらにIgA産生や胆汁酸分泌などの宿主側の応答の評価に

サービス概要

試験項目
糞便中有機酸(短鎖脂肪酸)分析/糞便中胆汁酸分析/糞便中腐敗産物分析/糞便中アンモニア分析/糞便pH測定/糞便水分測定/糞便中IgA分析 (ヒト)
受入可能な検体
糞便、腸管内容物など
目安納期
17 営業日~

糞便理化学分析の各対象成分は、「必要検体量・分析対象成分/評価項目」に記載の評価項目を測定、分析します。

腸内において有機酸 (短鎖脂肪酸)は、腸管内を酸性に保ち、腸の蠕動運動や腸管からの水の分泌を促進するほか、感染防御、腐敗産物の生産抑制、便性・便通の改善効果を持つことが知られています。有機酸は、腸内細菌による食物繊維や炭水化物の代謝物であり、タンパク質やペプチドの消化でも増加することが知られ、腸内細菌叢と共に評価することが望まれます。酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸は、宿主の短鎖脂肪酸の受容体 (GPR41、GPR43など) を介して肥満や糖尿病に関連することが近年報告されています。例えば、GPR41は主にプロピオン酸と酪酸により活性化され、交感神経系を介して、エネルギー恒常性の維持に関わることが報告されています。また、GPR43は酢酸とプロピオン酸によって活性化され、エネルギーの白色脂肪組織への取り込みを抑制し、脂肪の蓄積を抑えていると報告されています。

胆汁酸は、コレステロールの代謝物であり、脂溶性成分の消化吸収、界面活性による腸内細菌叢の変化に関与しています。
腸内細菌叢の変化は、宿主のコレステロール・胆汁酸代謝に影響を及ぼします。ヒトの一次胆汁酸であるコール酸とケノデオキシコール酸は、小腸内で腸内細菌により代謝を受け、それぞれデオキシコール酸とリトコール酸に代謝されます。ラットやマウスは一次胆汁酸としてムリコール酸を生成します。二次胆汁酸は、大腸がん発症のプロモーターと言われています。

胆汁酸は、コレステロールの代謝物であり、脂溶性成分の消化吸収、界面活性による腸内細菌叢の変化に関与しています。
腸内細菌叢の変化は、宿主のコレステロール・胆汁酸代謝に影響を及ぼします。ヒトの一次胆汁酸であるコール酸とケノデオキシコール酸は、小腸内で腸内細菌により代謝を受け、それぞれデオキシコール酸とリトコール酸に代謝されます。ラットやマウスは一次胆汁酸としてムリコール酸を生成します。二次胆汁酸は、大腸がん発症のプロモーターと言われています。

肝不全、肝硬変、尿毒症などの肝臓に関わる疾患は、アンモニアを尿素に合成する肝臓の解毒機能を低下させるため、血液中にアンモニアが増加することが知られています。
食餌品に含まれるタンパク質や消化管への分泌液に含まれる尿素は、腸内細菌によって分解されてアンモニアに代謝されます。腸内環境を改善することで糞便中のアンモニア量を低減できたとの報告も多くあります。

糞便のpHが、低いほど色は黄色っぽく、pH7.0 (中性) を越えると茶色っぽく、pH8.0 (弱アルカリ性) になると黒っぽくなります。乳幼児の糞便はpHが4.5~5.5 (弱酸性) で黄色、健康な大人の糞便はpHが5.5~6.0で黄土色です。
大腸菌 ( Escherichia coli )、ウェルシュ菌 ( Clostridium perfringens ) などの悪玉菌は、アルカリ性の腸内環境を好んで発育し、pH6.0以下 (弱酸性) になると発育しにくくなります。

糞便は、腸内貯留時間が長いと水分が腸管に吸収されて硬くなり、反対に腸内貯留時間が短いと水分が腸管に吸収されず、柔らかくなります。水分が70%未満では排便時に苦痛を感じるようになり、80%以上になると軟便となり、90%を超えると水様便となります。水分は、pHと負の相関があります。

腸管には全末梢リンパ球の約70%に相当する免疫系細胞が存在しており、腸内細菌が宿主の消化管に定着することによって、免疫系が刺激・活性化されていると考えられています。小腸粘膜面での微生物に対する特徴的な応答に免疫グロブリンの一種であるIgA産生があり、これはプロバイオティクス乳酸菌の摂取により亢進し、感染防御へとつながることが期待されています。なお、糞便中IgA分析は、単量体と二量体を測定しています。

受入可能な検体

検体区分由来検体の種類
A 区分: 糞便検体ヒト糞便
マウス、ラットなどの実験動物類糞便、腸管内容物
ブタ、ウシ、ウマなどの家畜類
ニワトリなどの家禽類
イヌ、ネコなどのペット類糞便
その他お問い合わせ下さい

必要検体量・送付方法

試験項目対象成分/評価項目定量下限値分析機器、または測定・分析方法分析必要量
ヒト・マウス・ラット
糞便中有機酸(短鎖脂肪酸)分析・酢酸
・プロピオン酸
・コハク酸
・乳酸
0.05 mg/gLC
(pH 緩衝化ポストカラム電気伝導度検出法)
ヒトの場合200 mg
マウス、ラットの場合60 mg
・iso- 酪酸
・iso- 吉草酸
・n- 酪酸
・n- 吉草酸
・ギ酸
0.1 mg/g
糞便中胆汁酸分析〈非抱合型胆汁酸: 14 成分〉
・コール酸
・α , β , ωムリコール酸
・ヒオコール酸
・ケノデオキシコール酸
・デオキシコール酸
・ウルソデオキシコール酸
・ヒオデオキシコール酸
・リトコール酸
・デヒドロコール酸
・イソデオキシコール酸
・7- ケトデオキシコール酸
・7- ケトリトコール酸
外部委託先によります
糞便中腐敗産物分析・フェノール類
(p- クレゾール、フェノール、4- エチルフェノール)
・インドール
・スカトール
0.3 μg/gGC-MS
糞便中アンモニア分析アンモニウムイオン
(アンモニア濃度に換算)
0.5 μg/gイオンクロマトグラフィー
糞便pH測定pHpH 計 (ガラス電極法)
糞便水分測定水分乾燥法0.5 ~ 1 g
糞便中IgA 分析IgA(単量体、二量体)1 μg/gELISA 法ヒトのみ 200 mg

送付方法

検体の種類容器種類留意点および送付方法試験項目
糞便、 腸管内容物気密性の高い容器採取後速やかに冷凍保存、 冷凍輸送全項目
メタボロキーパー®※1採取後速やかに冷蔵保存冷蔵輸送推奨、 常温輸送可糞便中有機酸(短鎖脂肪酸)分析
  • 可能な限り温度変化の少ない環境(冷蔵推奨)で、立てた状態で保管下さい。
    保存液は捨てずに検体を採取し、採取後も採取容器は冷凍せず、保存液の中に検体が入った状態でご送付下さい。

納品内容

試験時に発生した抽出物などの中間産物は、提供しておりません。

納品内容形式
各試験項目に対応する対象成分の濃度または測定値Excel ファイル

報告書サンプル

価格・納期

試験項目区分単位単価(税抜)目安納期
糞便中有機酸(短鎖脂肪酸)分析1 ~ 3検体30,000 円17 営業日~
4 ~ 619,000 円
7 ~ 2914,000 円
30 ~8,000 円お問い合わせ下さい
糞便中胆汁酸(非抱合型)分析※11 ~ 3検体お問い合わせ下さいお問い合わせ下さい
4 ~ 6
7 ~ 29
30 ~
糞便中腐敗産物分析1 ~ 3検体37,000 円17 営業日~
4 ~ 624,000 円
7 ~ 2919,000 円
30 ~13,000 円お問い合わせ下さい
糞便中アンモニア分析1 ~ 3検体19,000 円17 営業日~
4 ~ 613,000 円
7 ~ 2911,000 円
30 ~8,000 円お問い合わせ下さい
糞便pH測定1 ~ 3検体4,500 円17 営業日~
4 ~ 63,500 円
7 ~ 293,000 円
30 ~2,500 円お問い合わせ下さい
糞便水分測定1 ~ 3検体4,000 円17 営業日~
4 ~ 63,000 円
7 ~ 292,500 円
30 ~2,000 円お問い合わせ下さい
糞便中 IgA 分析 (ヒト)1 ~ 3検体41,000 円17 営業日~
4 ~ 624,000 円
7 ~ 2916,000 円
30 ~11,000 円お問い合わせ下さい
糞便 混練作業※21検体2,000 円~お問い合わせ下さい
  • 協力企業等の第三者に再委託する可能性があります。
  • 均一化のための糞便の混練作業です。多量の検体を作業する場合、別途、処分費が必要となることがあります。詳細は当社までお問い合わせ下さい。
    同一検体を複数の容器でお送りいただき、それらをまとめて秤量する場合、混練作業が必要な場合があります。

生体由来検体の返送

生体由来検体の返送をご希望のお客様には、定温マルチBOXによる臨床検体輸送サービスを利用してお送りします。

項目容器サイズ(内寸)単位価格 (税抜)
生体由来検体返送
(冷凍)
10サイズ230mm×230mm×200mm1個38,600 円
追加 1個+ 13,650 円
50サイズ320mm×450mm×350mm1個66,700 円
追加 1個+ 40,700 円


依頼書のダウンロード

ご依頼前の同意事項

  • 糞便中有機酸 (短鎖脂肪酸) 分析は、検体をスプーン型、保存液なしのタイプで採取し冷凍、あるいはメタボロキーパー®で採取し冷蔵または室温(冷蔵推奨) でお送り下さい。
  • 糞便中有機酸 (短鎖脂肪酸) 分析以外の分析をご依頼の場合は、スプーン型、保存液なしのタイプで採取し、冷凍でお送り下さい。
  • 有機酸 (短鎖脂肪酸) 分析、腐敗産物は、採便後直ちに冷凍保存することで、分析対象物質が1ヶ月間程度は安定であることを確認しています。
  • 輸送時に万が一、解凍した場合、これに伴う梱包材の軟化や破断による汚染が考えられます。発泡スチロール製の容器に梱包いただき、漏洩にご注意
    下さい。
  • 哺乳類・鳥類などの野生動物 (野良も含む) 由来の検体は、送付前にお客様の元で加熱処理(85℃ 15分以上)をお願いします。
  • ご依頼事項の同意事項 (共通) を必ずご確認下さい。
  • 試験時に発生した抽出物などの中間産物は、提供しておりません。

303_Feces_physics_V20.zip

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