T-RFLPフローラ解析 (MN法)

特長

  • T-RFLPフローラ解析 (Nagashima法) を継承した1種類の制限酵素による細菌叢解析

  • 培養を介さず検体のDNAを対象として解析するため、 難培養微生物も検出可能

  • Bifidobacterium 属、 Bacteroides 属などヒト腸内細菌叢の主要な分類群をOTU化して構成比率を比較

  • 安価で迅速なMN-1法と、追加解析にも対応可能なMN-2法を用意

  • MN法の結果は、 アンプリコンシーケンスの結果と正の相関

概要

T-RFLP (Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism) は、末端蛍光標識したプライマーセットでPCR増幅したDNAを制限酵素処理後、その断片多型 (検出される蛍光ピークの数、強度と分子量) から細菌叢を推定します。微生物の分類体系がDNA塩基配列の差異と関係すること、それが制限酵素の切断パターンとして現れることを利用しています。

MN法はNagashima法1,2)を改変し、ヒト腸内細菌叢に特化した解析手法です。得られた断片多型をBifidobacterium 属、Bacteroides 属などヒト腸内細菌叢の主要な分類群としてOTU (Operational Taxonomic Unit) 化し、その構成比率を一覧表およびバーチャートとして出力します。
DNA抽出物を未精製のまま解析するMN-1法、DNA抽出物を精製後に解析するMN-2法の2種類があります。

各OTUの分類群と推定される菌種一覧

試験項目

概要

MN-1 法

当社糞便採取容器 「ブラシ型」 に特化した、 安価で迅速な解析サービスです。 DNA 抽出物の
精製工程を経ないため、 DNA 抽出物の返送や追加試験 ( 他の解析サービス ) はご利用いただ
けません。
DNA 抽出物の返送や追加試験をご希望の方は、 MN-2 法をご選択下さい

MN-2 法

当社糞便採取容器 「ブラシ型」 以外の容器にも対応した解析サービスです。 使用可能な糞便
採取容器の種類は、 「価格 ・ 納期」 の項をご参照下さい。
DNA 精製まで行うため、 DNA 抽出物の返送や追加試験もご利用いただけます。
注意 : 「ブラシ型」 では採便した糞便を秤量できないため、 リアルタイム PCR の追加試験はできません。

参考文献

  • (1)

    Nagashima K, Hisada T, Sato M, Mochizuki J. Application of new primer-enzyme combinations to terminal restriction fragment length polymorphism profiling of bacterial populations in human feces. Appl Environ Microbiol 2003;69:1251-1262.

  • (2)

    Nagashima K, Mochizuki J, Hisada T, Suzuki S, Shimomura K. Phylogenetic Analysis of 16S Ribosomal RNA Gene Sequences from Human Fecal Microbiota and Improved Utility of Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism Profiling. Bioscience and Microflora 2006;25:99-107.

受入可能な検体

由来

検体の種類

対象

ヒト

糞便

細菌のDNA

  • 血液、臓器、細胞組織およびそれらが付着した検体の受け入れはできません。

必要検体量・送付方法

検体の種類

必要量

留意点および送付方法

A区分

ヒト糞便

【MN-1 法/ MN-2 法】
糞便採取容器 ブラシ型 ( 保存液あり )


-

採取後速やかに冷蔵保存
冷蔵輸送推奨、 常温輸送可

【MN-2 法】
メタボロキーパー

-

採取後速やかに冷蔵保存
冷蔵輸送推奨、 常温輸送可

【MN-2 法】
糞便採取容器スプーン型 ( 保存液なし )
あるいは気密性の高い容器

0.2 ~ 0.5 g

採取後速やかに冷凍保存、 冷凍輸送

使用可能な糞便採取容器については、 「価格 ・ 納期」 の項をご参照下さい

  •  保存液は捨てずに検体を採取し、 採取後も採取容器は冷凍せず、保存液の入った状態で検体をご送付下さい。冷凍する場合の保管温度帯は腸内環境分析用 糞便採取キット・採取容器のページをご参照下さい。

生体由来検体の返送

糞便採取容器「ブラシ型」を使いご依頼頂いた場合、元検体の返送はできません。

ガイド「生体由来検体の返送に関するご案内」をご確認下さい。

解析の流れ

MN-1法 (DNA精製なし)

  • DNA抽出

  • DNA精製なし

  • 蛍光標識したプライマーでPCR増幅

  • 制限酵素処理

  • フラグメント解析

MN-1法 (DNA精製あり)

  • DNA抽出

  • DNA精製あり

  • 蛍光標識したプライマーでPCR増幅

  • 制限酵素処理

  • フラグメント解析

仕様・納品内容

DNAシーケンサー (ABI PRISM 3500xl DNA Genetic Analyzer) で検体の細菌叢に由来する16S rDNA部分塩基配列のフラグメント解析を行います。追加のデータ解析 (クラスター分析、主成分分析、群間比較 (箱ひげ図、ベン図) ) につきましては、「統計解析ソフトRによるデータ解析」の章をご参照下さい。

報告内容

形式

各 OTU のピーク面積比、 グラフ

Excel ファイル

 報告サンプル

価格・納期

試験項目

検体数

単位

糞便採取容器の種類

単価(税抜)

目安納期

T-RFLP フローラ解析 (MN-1 法)

1

検体

ブラシ型/保存液あり (FS-0016、 FS-0017)

11,000 円

14 営業日

9,000 円

長納期 20 営業日~

T-RFLP フローラ解析 (MN-2 法)

1

検体

ブラシ型/保存液あり (FS-0016、 FS-0017)
スプーン型/保存液なし (FS-0003、 FS-0008)
メタボロキーパー ( FS-0015 )
気密性の高い容器 ( 凍結糞便 )

14,000 円

16 営業日

12,000 円

長納期 21 営業日~

  •  DNA抽出物の返送をご希望の場合には、MN-2法をお選び下さい。詳しくは「概要」の項をご参照下さい。

ご依頼前の同意事項

・ ご依頼前の同意事項(共通)を必ずご確認下さい。
・ お預かりした検体を返送する場合、当社は試験前の検体と同等の状態を保証するものではありません。
・ ご依頼前の解析手法などの選択についてのアドバイスには可能な範囲で対応しますが、最終的な選択はお客様の責任にてご判断下さい。