キノンは微生物の呼吸鎖における電子伝達物質の一つであり、ユビキノン (Q) 、メナキノン (MK)、プラストキノン (PQ) などがあります。Qは主に好気呼吸、MKは主に嫌気呼吸、PQは光合成に用いられています。それぞれの微生物種が特有なキノン構造を持っており、ある混合微生物系のキノン種の分布 (各キノン分子種の存在比)、すなわちキノンプロファイルを測定すれば、その微生物系の構成微生物種を大まかに推測することが可能です1)。例えばAlphaproteobacteriaはQ-10を持ち、BetaproteobacteriaはQ-8、Bacteroidetesは MK-n (n≦8)、ActinobacteriaはMK-n (n≧9)とMK-n(Hx)を持ちます。
キノン量は微生物バイオマスと正の相関があり、微生物量の指標として利用されています2)。海洋堆積物、土壌、活性汚泥などさまざまな環境試料中の微生物の量と群集構造の解析に用いられ3)、環境変化に影響を受ける微生物や有機物を資化する微生物の解析に利用されています。
参考文献
1) Hiraishi A. Isoprenoid quinones as biomarkers of microbial populations in the environment. J Biosci Bioeng 1999;88:449–460.
2) Hiraishi A, Iwasaki M, Kawagishi T, Yoshida N, Narihiro T et al. Significance of Lipoquinones as Quantitative Biomarkers of Bacterial Populations in the Environment. Microbes Environ 2003;18:89–93.
3) Kunihiro T, Takasu H, Miyazaki T, Uramoto Y, Kinoshita K et al. Increase in Alphaproteobacteria in association with a polychaete, Capitella sp. I, in the organically enriched sediment. ISME J 2011;5:1818–31.
由来 | 検体の種類 |
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活性汚泥 | 活性汚泥試料 |
土壌 | 一般土壌、火山灰などの土壌系試料 |
発酵試料 | 堆肥、コンポスト、培養液などの発酵試料 |
環境水 | 海水、湖沼水などの水系試料 |
検体の種類 | 必要量 | 送付方法 |
---|---|---|
培養液 | 50 mL程度 | 常温にて、検体の保管、輸送を行いますと、サンプルの劣化や菌叢が変化することが考えられますので、冷蔵でお送り下さい。 |
地下水など | ご相談下さい | |
活性汚泥 | 50 mL程度 | |
土壌など | 10 g程度 |
液体クロマトグラフィーでユビキノン、メナキノン、プラストキノンを定量いたします。
報告内容 | 付属データ |
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キノンの定量値 | Excelファイル |
試験項目 | 単位 | 単価 (税抜) | 目安納期 | |
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キノンプロファイル解析 | 検体 | 52,000円 | 20営業日~ | |
オプション | クラスター解析 (3検体以上で解析可能) | 検体 | 11,000円 | +4営業日 |
クロマトグラム追加 | 検体 | 6,000円 |
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・ 冷凍で保存されている検体については、冷凍でお送り下さい。解凍しないで下さい。
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