vol.108/Jul. 2020

この度の新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、罹患された方々には心よりお見舞いを申し上げます。また、医療機関や行政機関の方々など、感染拡大防止に日々ご尽力されている皆様へ深く感謝申し上げます。

当社では、都道府県をまたぐ移動に関する行動制限の緩和に伴いまして、マスクの着用など感染リスク軽減に努めたスタイルでの訪問活動を再開いたします。

自粛期間中は、多大なご不便をおかけし誠に申し訳ございませんでした。

当社のカタログをご希望の方は、以下のURLよりご請求ください。

https://www.tecsrg.co.jp/services/inquiry/

※同業他社様からのカタログ請求はご遠慮ください。

リニューアルのお知らせ

当社ではこれまで、本状のようなご案内を「NEWS LETTER」として定期配信して参りましたが、この度「テクノスルガ・ラボ通信」へとリニューアルいたしました。

試験・分析サービスの最新情報や技術コラム、営業情報など、より一層皆様に当社の活動について知っていただくために、より充実した内容を目指してまいります。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

IR Biotyperによる迅速な菌株の識別

菌株の識別とは、微生物の分類階級において「種」よりもさらに低次の階級である「株」の違いを識別することを意味し、同一種であることが確かめられている菌株同士を区別することが目的となります。微生物検査が必要な食品・飲料製造工程において菌株の識別は、製造に用いる種菌と製品中に含まれる菌株が同一であることの確認や、製品から汚染菌が発見された際に様々な環境や原料から同じ「種」が複数分離されたときの汚染源の特定 (どの工程で混入したのか?) のために、品質管理の観点から迅速な菌株の識別の重要性が高まっています。

菌株の新しい識別方法として、ブルカー社からIR Biotyperを用いた方法が提案されています。IR Biotyperは、同一培養条件により生育した菌株が持つ炭水化物・多糖類のフーリエ変換赤外 (FT-IR) スペクトルデータを取得し、菌株間のスペクトルデータの比較解析により菌株識別を行うシステムです。IR Biotyperは、PFGE解析やMLST解析といった従来の識別手法に比べて迅速かつ簡便に菌株を識別することができます (図1)。例えば、同一条件下で平板培養した単離菌株10株であれば3時間以内に菌株の識別に必要なデータを取得することが可能です。

図1. IR Biotyperによる菌株の識別の手順

IR Biotyperによる菌株の識別能を確認するために、出芽酵母のSaccharomyces cerevisiaeの7菌株について試験を実施し、さらに同一の平板培養物よりMALDI Biotyperを用いてタンパク質のマススペクトルとの比較を行いました (1菌株につき4スポット測定)。IR Biotyperにより得られたクラスター解析結果では、それぞれの菌株ごとにクラスターを形成していることから、菌株の識別ができていることがわかります (図2a)。一方で、MALDI Biotyperによる結果は、同一クラスター内に複数の菌株が混在することから、菌株の識別は難しいといえます (図2b)。

このようにIR Biotyperは、従来の菌株の識別方法に比べて迅速・簡便に行えることから、菌株の識別が必要な食品・飲料製造における品質管理に有効な技術として今後より普及していくと思われます。留意点として、IR BiotyperはFT-IRスペクトルデータの微小な相違に基づいて識別することから、同一培養条件での平板培養物を用いることが必須になります。菌種ごとに識別能が異なること、遺伝子を用いた解析手法とは異なりデータベース化できないことから、菌株の識別の判断基準となり得る比較対象株を同時に試験することが望ましいといえます。

図2. IR Biotyper (a) とMALDI Biotyper (b) の結果

皮膚菌叢解析用採取キット販売中

当社では、昨年末より皮膚菌叢解析用採取キット「メタフロキーパー(皮膚)」の販売を開始しました。

本キットはスワブタイプとなっており、生理食塩水に浸された綿棒で皮膚を拭い取り、もう一本の保存液が入った容器に綿棒を移すことで、菌叢を保持します。室温でも1週間程度であれば安定的に菌叢の保持が可能です。

価格は12,000円(税抜)/10キット、納期は3週間程度となります。製品の詳細につきましては、当社営業部までお気軽にお問い合わせください。

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テクニカルトレーニングのご案内

当社では、微生物を取り扱う上での基礎的な技術、DNA塩基配列解析などの専門的な技術を学ぶための講義と技術講習を合わせたテクニカルトレーニングを開催しています。8月、10月、12月は細菌、9月および11月は菌類を対象としたコースをご用意しております。受講者には、当社より「修了証」をお渡しいたしますので、社員研修などにも活用いただけます。

各回先着順で、定員は1回につき細菌は最大4名、菌類は最大3名までとさせていただきます。また、各回のお申し込み締め切りは開催日の2週間前とさせていただきます。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、延期あるいは中止となる可能性もございます。開催中止の際には受講料は全額返金いたします。  

開催予定などは当社ホームページをご確認ください。

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2020年度 学会・展示会情報

※当初出展を計画しておりました日本微生物資源学会第27回大会、日本微生物生態学会第34回大会、第72回日本生物工学会大会、日本食品科学工学会第66回大会、第41回日本食品微生物学会学術総会、第47回日本防菌防黴学会年次大会は新型コロナウイルス感染症の影響により大会が中止となりました。
また、第33回日本口腔診断学会、第30回日本口腔内科学会、第13回日本口腔検査学会の3学会合同学術大会におきましては、Web開催となりました。

臨時休業、夏季休業日のご案内

社員研修に伴う臨時休業日
2020年7月6日 (月) 

夏季休業期間
2020年8月13日 (木) ~8月16日 (日) 

休業期間中は、検体受付も休止いたします。また、休業期間直前にお預かりした検体は、当社で保管いたしますが、試験・分析の着手は休業日明けとさせていただきます。お客様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

夏季休業前後の検体受付や報告書の発送などにつきましては、当社ホームページの案内をご確認ください。

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キャラクター紹介 (セレビちゃん)

当社の個性豊かなキャラクターを紹介します。初回となる今回は、酵母の仲間「セレビちゃん」のプロフィールを紹介します。

・名前の由来:出芽酵母「サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) 」 の学名より。
・住んでいるところ:花、土、海や川、酒蔵。
・特技:小麦やお米を発酵。パンやお酒造りのお手伝い。

お酒が大好きという読者様も多いのではないでしょうか。セレビちゃんの仲間達は色々なお酒をつくることができます。

サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) の特徴

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